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Concept note

本ページは、Toppyのultra-lean・AI-firstな会社設計思想を支えるProof artifact(実証用研究メモ)として提供されています。

AI Economy — Window Guidance as Code

AI時代の経済・金融アーキテクチャ(試案)

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関連する理論ノート、ダッシュボード、プレプリントへのショートカットです。

Thermo-Creditノート(QTC) QTCモニタ(ダッシュボード) Kantian preprint(arXiv) Kantian(Zenodo Concept DOI)

要約

このページについて

このページは, 「お金(信用)がどこに,どれくらい配られているのか」「その配り方をAI時代にどう設計し直すか」についての ToppyMicroServicesによる研究開発コンセプトをまとめたメモです.

背景:なぜこのテーマか

大規模言語モデル(LLM)を含むAIは,経済分析・リスク管理・政策立案の現場に入りつつあります. しかし同時に,次のような問題があります.

私たちが目指したいのは, AIを“神託”として扱うのではなく,仕組みとログを公開しながら,人間の判断を支える道具として組み込むこと です.

基本となる考え方

1. 信頼できるAI:監視と調整のしくみを前提にする

AIやスコアリングモデルに,いきなり本番の判断を丸投げしない. その前提として,その上に「監視と調整のしくみ」を必ず載せる,という設計を取ります.

  • 出力の偏りや急な変化を継続的にチェックする.
  • どのデータ・ルール・前提から,その結論に至ったかを遡って確認できるようにする.
  • 担当者が「採用する/修正する/却下する」を判断しやすい形で提示する.

これは専門用語で言えば calibration や audit に近い発想ですが, 要するに 「AIの振る舞いを見張り,必要なら人間側でブレーキや補正をかけられるようにしておく安全装置」 です. 後述するThermo-Creditのような指標群と組み合わせることで, 窓口誘導やマクロ・プルーデンスのダッシュボードを, より透明で説明しやすいかたちに作り直すことを目指します.

2. Thermo-Credit:信用の配分と余力を整理

日常生活で私たちが使っているお金の多くは,中央銀行が印刷したお札ではなく, 銀行が住宅ローンや事業ローンを出すときに数字として生まれる「銀行預金」です. どの地域・どの業種・どの用途に,こうしたお金(信用)がどれくらい流れているかによって, 住宅価格や雇用,将来の成長パターンは大きく変わっていきます.

ここで重要なのは,銀行が「みなさんの預金をそのまま貸している」のではないという点です. 融資の契約が結ばれた瞬間に,銀行の帳簿のなかで新しい預金が同時に記録されます. たとえば,あなたが捺印した手形やローン契約書を銀行が資産として購入し, その代金としてあなたの口座に預金が記帳される,というイメージです.

マネーの総量は,こうした信用取引の結果としてあとから決まる量であり, 本質的には「信用」そのものが主体であると考えられます. そのため,単に「マネーの総量」だけを見るのではなく, 「どの分野にどれだけ偏っているか」と「まだどれだけ安全に増やせるか」を, 分かりやすく整理しておく必要があります. Thermo-Creditは,この「信用の流れと余力」を 地図のように見える化しようとする枠組み(指標のセット)です.

AIは,この Thermo-Credit で定義された指標群を「状態変数」として参照しながら, 異常検知・シナリオ比較・窓口誘導ルールのチューニング案の提案といった役割を担うことを想定している. つまり,AIはブラックボックスの神託ではなく, 公開された座標系(Thermo-Credit)の上で動く補助エージェントとして設計される.

あわせて,この枠組みには明確な課題もある. とくに,「エネルギー」として扱う量をどう定義するか,またクレジット構造から取り出しうる自由エネルギーのうち外界に逃れる分を除いたものとして定義される Xc (エクセルギー)の妥当性をどう確保するかは難しい点である. これらは各国の会計制度やデータの取り方に強く依存し,単純に一意の定義を与えにくいからである. この調整方法を見出し,異なる国・制度・データ頻度のあいだでも比較可能なスケーリングを与えることが,今後の中心的な研究テーマになる. もしここに,ある程度普遍的に使えるメソッドを提示できれば,各中央銀行や金融機関が自前のデータを用いて Thermo-Credit 型のダッシュボードを構築・検証し,信用配分やマクロ・プルーデンスの運用ルールを定量的に設計・チューニングするための,実務に耐えうる強力なツールになりうると考えている.

想定しているユースケース(例)

ここに挙げるのは,現時点で検討中の案であり検証したいテーマです.

1. 中央銀行・監督当局向け

2. 銀行・金融機関向け

3. 研究機関・シンクタンク向け

前提とガバナンス

  1. AIは最終決定者ではない
    この構想におけるAIは,提案や警告を行うための補助ツールです. 最終判断は,必ず責任を持つ人間が行う前提です.
  2. ブラックボックスにしない
    どのデータ・前提・ルールから指標や提案が生まれているかを追えるようにし, 第三者が検証可能であることを重視します.
  3. 恣意的・差別的な利用を許さない
    セクター別の誘導は,金融安定や生産性向上といった正当な目的に限定されるべきであり, 個人属性や特定企業に対する不当な差別・優遇を正当化する道具として使わないように設計します.
  4. 注意
    Thermo-Creditを含む本フレームワークは開発中であり, 指標・分類・計算方法については,批判や改善提案を歓迎します.

用語メモ(ざっくり)

お問い合わせ・フィードバック

本ページの内容は,AI時代の経済・金融アーキテクチャに関する試案・メモとして公開しているものです. 内容に関するご意見や技術的なコメントがあれば,静的なフィードバックとしてお寄せいただけると助かります.

とくに,次のような観点からの批判的なご指摘や補足情報を歓迎します.

商用提案や共同プロジェクトをまだ積極募集しているわけではありませんが, 本試案に関連する専門的なコメントについては, ToppyMicroServices公式サイト記載の連絡先からご連絡ください.